夜行列車の思い出 エジプト

先日、サンライズ出雲に乗車したことがきっかけとなって、過去に乗った夜行列車でのことを思い出しました。
ほとんど唯一の記録であるパスポートを見返してみると、2007年9月にエジプトへ旅行しています。これを書いている時点で約17年前のことですので、これからの旅の参考にはならないと思います。あくまでも個人の思い出話としてお読みください。

私が乗車したのは、エジプトの首都カイロから南部の街アスワンまでの夜行列車です。
ツアー旅行にひとり参加していて、初日にピラミッドやモスクなどを観光し、次の日から南部のアスワンやアブシンベルを観光するため、夜のうちにエジプトを南北に縦断してしまおう、というルートでした。

私が乗車したのは2人用の個室で、同室者はいなかったので個室状態でした。
車両ごとに車掌さんがいて、夕食と朝食の準備、ベッドメーキングなどを行ってくれます(金額までは覚えていませんが、チップが必要)。
夕食は暖かいスープなどがついていて普通でしたが、朝食は、味が多少違うパンが5個だけという、炭水化物のパンチがきいた食事でした。

この旅行の期間がイスラム教のラマダン(断食月)にあたっていて、お昼の機内食イスラム教徒以外の乗客だけに配られたり、エジプトの現地ガイドさんは、日中飲まず食わずで働くので、夕方になると極端に機嫌が悪くなるという、他の時期にはない経験をしました。
おそらく、この列車での朝食もイスラム教徒以外にだけ出されたものだったので、このようなメニューだったのかもしれません。

そして、この夜行列車のことで強烈に覚えているのはトイレです。
車両に1か所ずつトイレがあり、「時間がたつと汚くなる」という情報は事前に聞いていましたが、あまり気にはしていませんでした。
夕食後、はじめてトイレに行ってビックリ!便器の底から線路が見えていました。
「まあ、エジプトは乾燥しているし臭わないのだろうな」と妙な理由を考えて納得し、そのまま使用したことを覚えています。

エジプトは、ピラミッドやアブシンベルの神殿などの遺跡が有名ですが、日中の断食から解放された後の夜の街の喧騒やナイル川の水上から見た夕陽の美しさなどが記憶に残っていて、私のなかでは必ず再訪したい国のひとつです。